アーカイブ2020年12月23日(水)開催:「 これからのセールスプロモーション 「消費者感情」×「AI解析」で実現する「感情価値」の捉え方と届け方」セミナーレポート2021年01月19日|

これからのセールスプロモーション 「消費者感情」×「AI解析」で実現する「感情価値」の捉え方と届け方」をダイジェストでお届け

大日本印刷株式会社(以下DNP)は、LTV(ライフタイムバリュー)を高めるCXの推進を、 PXCは消費者の感情や感性をAIリサーチするAIGENIC®を提供しています。
2020年12月23日にDNP中部CXセンターより小林様をお招きし、オンラインセミナーを開催しました。
これからのCXについての構想や、感情や感性をリサーチすることで どのようなセールスプロモーションを実現できるのかについてディスカッションした模様をレポートします。

目次
■DNPが考えるCX
■CXの実現には「感情価値」を理解することが不可欠
■有名ポン酢調味料ブランドのリサーチ実践
■#働く主婦の食卓 リサーチ実践
■AIGENICで解析した消費者インサイトの活用アイデアについて

まずDNPのご紹介をいたします。
1876年の創業以来、印刷を基点とする情報産業を展開し、現在ではクライアント数約3万社、 海外に35拠点を構える世界最大規模の総合印刷会社になります。
印刷会社ということで出版印刷をイメージする方も多いかと思いますが、 DNPの小林さんからは「現在では従来の印刷業から大きく変革を果たしており、 売上全体の56%を占める「情報コミュニケーション部門」ではカード発行、決済領域での 取り組みが含まれ、いわゆる印刷の業務はごくわずかとなってきています。」と説明いただきました。

■DNPが考えるCX

このような時代の変化に即したビジネスモデルの変革の一つとして、 DNPでは「DX for CX」というビジョンを掲げています。
DNPが考えるマーケティング環境の変化とは
①顧客との関係は「集客依存」から「LTV(ライフタイムバリュー)」の重視へ
②コミュニケーションは「マス」から「パーソナル」へとシフト
③手段・方法にはデジタルテクノロジーの活用 の3つになります。

つまり企業のマーケティング活動はLTVを追求するCX起点のマーケティング活動へとシフトし、 そのマーケティングプロセスの手段としてDXが加速していくと考えられます。 DNPではこのような環境の変化に合わせ、リアルとデジタルを統合し、 お客様に最高のCXを提供するパートナーへと進化することを目指しています。

■CXの実現には「感情価値」を理解することが不可欠

続いてCXを実現するための方法についてのディスカッションへと移ります。
ブランドや商品から消費者が得られる価値には「機能的な価値」と「感情的な価値」があり、 価格や性能といった「機能的な価値」は競争の激しい現在ではコモディティ化も早く、 「機能的な価値」だけでは競合との差別化を続けることは難しい状況にあります。
一方消費者がブランドから得られる「センス」や「ステータス」といった「感情的な価値」は ポジティブな体験価値として消費者に根付いていきます。
この「感情的な価値」を捉え、様々な施策によって届けていく事、 消費者が得られる価値の総量を高めていく事こそがCXであるとしています。

しかし「感情的な価値」は「どのような体験が良かったのか」、「どういうシーンで体験すると良かったのか」 といった定性的な情報が必要になります。
CXを高めるプロモーションを行っていくには、 数値化の難しい生活者の生の声を常にウォッチして施策に反映していく必要があります。

DNPではこのような収集の難しい消費者のインサイトを解析し、 最新の消費者の感情と感性を把握するためにPXCのAIGENICを導入いただいています。
消費シーンの解析によるブランドプロモーションの立案や、 消費者目線でのトレンドを調査することでリテールのマーチャンダイジングを企画する等、 クライアントのCXを高める様々な施策提案にご活用いただいています。

■有名ポン酢調味料ブランドのリサーチ実践

続いて話題は有名調味料を実際にAIGENICで解析した結果に移ります。
解析結果からは次のようなファインディングスを得ることができました。

● この調味料のユーザー層は30代女性がメイン。
● ソーシャルに投稿される時間帯は19~21時に集中している。
● ヨーグルトやインスタントラーメンを解析した時とは時間帯が異なり、食事する(消費する)時間帯とリンクしている。
● この調味料の投稿量は20年の4月、5月、11月に増加している。
● 4月、5月には#鳥のさっぱり煮や#手羽元が共に投稿されるケースが多く、同時期にレシピCMが展開されている。
● 11月にはキャンペーンハッシュタグが最も投稿され、プロモーションも同時展開している。
● この調味料に向けられた消費者の印象は「おいしい」「うまい」という味に対して高く評価している。
● 味だけでなく、「(し)やすい」「優しい」という印象も強く、食べやすく、体に優しいという印象も根強い。
● 投稿される画像がレシピに関するものや料理、食卓の写真が中心。
● 3~4月の投稿は彩りが多彩で点数も多い写真が目立つが、11月以降は単色的で大皿料理の写真が目立つような変化がある。

これらのファインディングスから次のような仮説を立案していきます。 仮説と合致するペルソナをイメージし、関連するワードを追加調査することでより多角的に情報を集めていきます。

■仮説
1.投稿量の推移と新型コロナウイルスの感染拡大、緊急事態宣言が重なっている。
2.同じ情勢下でも、投稿された画像は見た目重視の3~4月と現実的な10~11月と、次期によって特徴が異なる。
3.最初は頑張っていたが、後半はお疲れモードだったのかも?
4.この調味料と同じような傾向のあるペルソナとして「働く主婦」をターゲットにし、#働く主婦の食卓を追加調査。

■#働く主婦の食卓 リサーチ実践​

#働く主婦の食卓の解析結果からは次のようなファインディングスを得ることができました。

調味料の調査結果と類似しているポイント
● ユーザー層、投稿時間帯、投稿数の推移は調味料のリサーチ結果と類似している。
● 投稿されている画像の傾向も3~4月は映え意識、10~11月は現実的と類似している。

調味料の調査結果と違いが見受けられるポイント
● ユーザーからは「使いやすい」「簡単」「洗う手間が少ない」というような感情、イメージが好印象を集めている。
● 3月から登場した#ズボラ飯の投稿数が右肩上がりで増加している。
● #ズボラ飯に投稿された画像を見ると、調理のお手軽さ、工程のシンプルさを伝えている特徴がある。
※ズボラからイメージする「だらしなさ」ではなく、「簡単だけど良いものを作っている」という感情を表現している。

■AIGENICで解析した消費者インサイトの活用アイデアについて

DNPの小林さんからは「投稿数の推移だけでなく、実際の消費シーンを見ていく事でCMやプロモーションの効果測定に活用できる」というアイデアをいただきました。
またPXCの加我からは「調査結果を深掘りしていくことで新しいペルソナ像を見出し、そのペルソナを解析した結果からプロモーションやキャンペーンに転換していく事で、これまでリーチできていなかったユーザー層の開拓などに期待できる」というアイデアも出ていました。
これらのアイデアに対して、PXCの佐野からは「AIGENICはCX全体のなかでお客様がどこで満足したかが見えるサービス。
使われているシーンや感情を把握・分析することで、体験などのコトに則したプロモーション施策の立案ができる」と付け加え、最後のまとめとしています。

消費者の感情や感性を誰でもリサーチできるAIGENIC®の具体的な機能や調査例、購買データでは知ることのできない“気づき”を得る方法をまとめたホワイトペーパーをご紹介しています。こちらも是非ご一読ください。

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